令和5年度「千葉県公立高校入試 社会」の問題から見る今後の傾向と対策!
2023.09.16
出題内容
1⃣ 総合問題
ここ数年世界に関する出題が続いていましたが、今年は2023年に千葉県誕生150周年を迎えるにあたり、千葉をテーマにした出題となりました。資料から都道府県を判断させる(4)は関東7都道府県の判別ですが、海岸線に注目しすぎて東京と千葉を混同した人や、よく似た特徴を持つ埼玉と千葉を混同した受験生もいたかもしれません。節目の年やイベントがある年などは、それに関連した出題がある可能性がありますので、時事にも目を向けておく必要があります。千葉県の歴史や文化、自然については日頃から興味を持って情報を仕入れておくとよいでしょう。
2⃣ 日本地理
日本地図に基づいて出題されたのは例年通りです。静岡県の工業の特徴については2019年の前期にも出題されているので、過去問題を繰り返し解いてきた人は簡単に感じたのではないでしょうか。(2)では、東京都で豪雨に備えてつくられている地下調整池について問われました。近年、自然災害への取り組みに関する出題が増えています。どの問題も教科書内容からの出題が多く、教科書を普段から読む習慣をつけることが得点につなげる近道だといえます。
3⃣ 世界地理
世界地図の読み取りでは2年連続で赤道を示す緯線が問われています。地図の正しい読み取り方がわかっているかを問うものは定番の出題となっていますので、練習問題を繰り返して様々な問われ方に慣れておくとよいでしょう。(2)では谷川俊太郎の詩を題材にした時差に関する問題でした。時差の基本的な考え方が理解できていれば十分解ける難易度です。千葉県では、どの教科でも会話文形式の出題も多くなっていますので、知識を自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。
4⃣ 歴史(前近代史)
千葉県にある史跡などに関連した問いが出題されました。(1)は弥生時代における世界のようすを問うものですが、あまり出題がない範囲であるため、対策しにくい課題であったと思います。しかし、日本のできごとと同じ時期におこった世界のできごと(またはその逆)を対応させての出題はとてもよくみられますので、日本史と世界史を対応させながら学習していくのはとても大切です。
(4)の天保の改革もよく出題されるテーマです。天保の改革、これに享保の改革と寛政の改革を加えた、江戸時代の3つの大きな政治改革については、キーワードだけでなくその前後の出来事まで確認しておきましょう。
5⃣ 歴史(近・現代史)
北里柴三郎の略年表が題材となり、(1)で津田梅子が問われるなど、新紙幣の肖像画となる人物が取り上げられました。ここに渋沢栄一も含めた3名は、ここ数年頻出となっています。また、(5)では2025年に再び万国博覧会を開催する大阪府が問われました。日頃から時事問題に興味をもっていた人は比較的取り組みやすかったのではないでしょうか。(2)の並び替え問題では、1894年から1914年におこったできごとを3つ選ばせる問題でしたが、1年単位の判断が必要でした。こういった細かい判断を要求する並べ替え問題も近年増えているため、近現代の主なできごとの年号は暗記しておいたほうがよさそうです。
6⃣ 公民(経済)
成人年齢の引き下げと消費者保護を題材とした出題です。(2)では「直接金融」の語句記述に関しては、株式の取引が直接金融であることを理解している必要があるため難易度の高い問題でした。(3)では昨年は出題されなかったアンケート形式の読み取りが出題されたが、複数の資料の活用が要求された分、丁寧な読み取りが必要でした。
7⃣ 公民(政治)
(1)は公民分野ながら、年代整序の形式で出題されました。人権という思想が、どのように成立し発展してきたか、正しく理解できているかがポイントとなりました。よく出題される範囲ですので、比較的取り組みやすかったのではないでしょうか。一方、(3)は条件記述で、40字以内と字数が多いだけでなく、二つの資料から読み取る必要もあるため、取り組みにくく感じた人も多かったのではないでしょうか。必要な情報をきちんと読み取り、記述する力をつけていくため、過去問演習を含め、様々な問題に取り組んでおくと同時に、自分の意見をアウトプットする練習も積んでおきましょう。
6⃣ 公民(国際)
(1)では地域ごとの経済共同体が出題されました。4つすべてを特定する必要があり、ASEANやAPECは比較的簡単でしたが、2021年にNAFTAに代わって成立したUSMCAや南米南部共同市場の略称であるMERCOSURはやや難しかったのではないでしょうか。また、アルファベットの略称の記述では「TPP」が出題された。近年、アルファベットの略称は毎年問われているため、教科書の索引などを確認し、主な略称は覚えておくと良いでしょう。
総評
地理・歴史・公民の各分野から均等に、幅広く細やかな出題がなされています。基本的知識の理解を見るものが中心にはなっていますが、地図、グラフ、写真などを用いた出題が多いのが特徴です。近年の千葉県入試は、資料の読み取りをもとにした思考力や判断力が求められる問題だけでなく、語句の定義が定着しているかを確認する問題が出題されています。
暗記に頼った学習ではなく、各分野を関連させながら社会科としての総合力をつけるような学習を要求しているといえるでしょう。
教科書本文だけなく、記載されている資料や補足の説明、年表ページなども熟読し、自分なりにノートにまとめておくとよいと思います。
